キャリア教育サポーター事業
平成23年度、大阪府教育委員会と連携し「キャリア教育プログラム実践事業」として中学校区の
キャリア教育推進に向けた支援を行うため、9市10中学校区へ「キャリア教育サポーター」を派遣しました。
計7名のサポーターを新規採用し「キャリア教育コーディネーター」研修を実施。
その後、担当校区へ赴き、先生方と共にワークショップ等を通して、各校区の現状に合わせたキャリア教育を描いたり、その推進に努めました。
キャリア教育を推進するために大切にした主な視点
1:「現状分析」と「めざす子ども像」を全教職員で共有することの重要性
2:つけたい力を全教職員で共有することの重要性
3:全体指導計画を作成することの重要性
4:大人たちでつくる学びの環境づくりと地域連携の重要性
5:学びの環境づくりのための効果検証の重要性(PDCAサイクル)
キャリア教育を推進するためのステップ事例
【STEP1】 キャリア教育についての理解
キャリア教育についての研修を行うまでは、教職員の認識として「キャリア教育」=「職業教育」というイメージが強く、特に自分が確立していない小学校低学年では自己実現をめざすキャリア教育はそぐわないという考えがありました。
しかし、キャリア教育の本質を理解するにあたって、「キャリア教育は難しいものではなく、すべての教育活動に通じるものだ」という認識が広がり、キャリア教育における小中連携の重要性を再確認できるようになりました。
【STEP2】 推進体制づくり
キャリア教育を効果的に進めるためには、キャリア教育の担当者を明確にすることが重要です。中学校区内のキャリア教育担当者が集まって、キャリア教育を推進する体制ができると、学校や地域が一体となってキャリア教育を進めることができます。
そのためにも、推進体制づくりの一歩として、校区の職員同士が想いをわかち合う場づくりを実施。校区の教職員同士が、それぞれの取り組みの現状や想いについて意見交換する機会をつくり、教職員一人一人の意見が反映される工夫をすることにより、有意義に意見交換ができ「中学校区として子どもを育む」視点を実感できました。
【STEP3】 「めざす子ども像」の共有
キャリア教育を効果的に進めるためには、一部の関係者だけが協議するのではなく、地域の子どもたちの成長に関わる者全員が、十分にコミュニケーションをとって課題意識を共有した上で「めざす子ども像」を一緒に作成するプロセスが大切です。
また、子どもを取り巻く状況は、社会情勢や環境等の変化に伴い変わるものです。それを踏まえ「めざす子ども像」も定期的に見直す必要があります。
そのためにも「めざす子ども像づくりワークショップ」を実施し、改めて子どもの背景・課題を共有しながら「めざす子ども像」について話し合うことで全教職員の方向性を再確認するきっかけとなりました。
また、全教職員で実施することで、学校単位だけでなく中学校区としての視点を持つ大切さや、キャリア教育の視点を持つ意義を再確認できました。
【STEP4】 キャリア教育全体指導計画の作成・実践
全体指導計画とは、「めざす子ども像」と「育みたい力」の実現に向けて、児童生徒の発達段階ごとにどのような目標でどのような取り組みを行うかをまとめた計画です。
全体指導計画作成に向けて、取り組み整理を行うことで「めざす子ども像」の実現に向けた具体的な取り組みを可視化し、連携を更に強化していきました。
学年や校区を超えて、キャリア教育に関連する取り組みを整理し、発達段階に応じて「子どもにつけたい力」として5つの視点からの目標を考えるという流れでワークショプを実施しました。
【STEP5】 検証・改善・継続
キャリア教育を継続していくためには、あらかじめ立てた計画に照らし合わせて、検証・改善していくことが大切です。
学校によっては、小中の子どもたちに同じ内容のアンケートを実施し、中学校区で教育活動の取り組みを検証し分析するなど工夫をしました。
また、教職員同士の小中合同研修を毎年行うことで、取り組みや目標(めざす子ども像)を見直し、分析する文化を作ることで、現状に合ったより良いキャリア教育を継続することができます。
さらに、新任教職員を対象として研修の一つとして「キャリア教育とは」など、学校区の動きへの理解を促す仕組みを取り入れることで、キャリア教育の継承・継続につなげられると考えています。
キャリア教育の進め方 サポートブック
キャリア教育を推進するための各ステップの詳細や、その他の事例については「キャリア教育の進め方 サポートブック」(PDFリンク)参照ください。
↓ こちらのサイトからもダウンロードしていただけます。
http://www.pref.osaka.lg.jp/jidoseitoshien/kyaria/
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