2017.07.19
-社会で活躍する人材を育てるために-
大阪府立布施工科高校の取り組み
1)先生方へのインタビュー
進路指導部長 浅岡昌利先生
進路指導部 インターンシップ担当 笹山秀樹先生
大阪府立布施工科高校さんの、魅力あるキャリア教育の取り組みをお伝えするこの企画。
今回は、先生へのインタビューの様子をお伝えします。
布施工科高校の取り組みについて、進路指導室で詳しくお話を伺ってきました。
「学年全員実施」は先生方の熱意があってこそ
「先生方の努力に支えられて実施する事ができています。ほんとうに頭が下がる思いです。」
と話すのは、進路指導部長の浅岡先生。
昨年度、前任者からこの進路指導部長を引き継ぎました。
布施工科高校では4年前に民間出身の植田校長が赴任され、キャリア教育に関する取り組みも新しく始まりました。
2年生全員対象のインターンシップも2年前から本格的に始まったそうです。
近年の参加率は95%以上、受け入れ企業は約80社にものぼります。
校長先生が企業団体・企業組合等との連携を深めたり、地域の企業に声をかけるなど、受け入れ先を増やす努力をされてきました。
「すべての教員で手分けして、インターンシップ先の一社一社全てに挨拶して回るんです。」と、浅岡先生。
実施前に企業に訪問して打ち合わせを行い、実施中は巡回し、実施後には報告書を持って全ての企業に向かうのだとか。
今では企業側からインターンシップ受け入れについて、問い合わせの連絡が来ることもあるそうです。
先生方の丁寧な対応が、企業からの評判にも繋がっています。
「就職に向けて」という文脈での学校の取り組み
布施工科高校の学生は8割以上が就職します。
ほとんどの生徒が就職する学校だからこそ、授業も含めた学校内全ての取り組みに工夫があります。
例えば、インターンシップ実施前の企業への挨拶には生徒も同行します。
3年生の応募前職場見学には生徒一人で企業に向かわせることもあるそうで、インターンシップの挨拶の同行はそのためのステップとなります。
ほかにも
インターンシップ実施後には、1年生に対してプレゼンを行う機会を設けたり、
授業で時間の規律を意識させたり、
就職試験に向けて早朝から学習会を実施したりなど、
学校生活の中で様々な「就職を見据えた」取り組みがなされています。
「就職して社会に出てからギャップに耐えられずにやめてしまう生徒が多いと感じています。学校生活の中で少しずつでもそのギャップを克服できる力をつけさせていきたいです。」と、浅岡先生。
取り組みを初めて3年目なので、まだ離職率の変化については数値のデータなどは出ていないそうですが、
「インターンシップが始まってから、生徒の成長の度合いがすごいと感じています。データでどんな変化が出るか楽しみです。」ともおっしゃっておられました。
インターンシップが当たり前の社会に
最後に、先生方にこれからのビジョンについてお聞きしました。
進路指導部でインターンシップの担当をしておられる笹山先生は
「採用関係なくインターンシップを行うことが当たり前な社会になるといいなと思っています。」
と話します。
採用を目的としてインターンシップの受け入れを行なっている企業も多い中で、採用に関係なく受け入れてくださる企業もあります。
そうした企業は「生徒の成長のために」という思いが強く、様々な努力をしていただいています。先生の言葉をお借りすると「神対応」の企業の取り組みなのだとか。
社会全体が「次の担い手を育てる」という意識を持てるようになると、
離職率の低下にも繋がるかもしれませんね。
浅岡先生は
「インターンシップを通して、『働くとは何か』ということを生徒が理解し、迷わずに自分の進路に向かって前進していけるように。また、保護者の方にも発信できるように取り組んで行いたいです。」と意欲を見せていました。
先生方が前向きに取り組んでおられるからこそ、生徒の成長に繋がる取り組みが実施できるのだと思います。
浅岡先生、笹山先生、ありがとうございました。
今後の取り組みにも注目していきたいですね。