• 2020年12月26日「先生と職場体験を語り合う夜」開催!
  • 2021.01.19

    現役の先生が職場体験を語り合う!

     現在「リモート職場体験」を開発・運営しているJAEのドリカムチーム。2020年12月末に、職場体験での生徒たちの変容や意義を語り合う交流会をオンライン開催しました。
    関西・東海エリアから4名の先生にご参加いただきました!

    職場体験、意味あるの?問題

    職場体験は現在約98%の学校で実施されていますが、下記の課題が挙げられています。
    ●生徒の受入先との調整が先生にとってかなり負担(1クラスで10か所以上)。
    ●受入先によって、生徒たちの経験できることに幅がある。
    ●そもそも職場体験の意義や目的を受入先に伝えきれていないことも多く、子どもの学びにつなげられていないことがある。
    ●数日間の職場体験で生徒たちの変容が見えにくい。

    いや、職場体験でしか得られない学びがある!

    そんなさまざまな課題がある中、参加者の先生たちはそれぞれ職場体験学習の実践者。職場体験で子どもたちが変容する姿を見てこられています。そこでまずは大阪府下の中学校で今回J A Eのリモート職場体験に一緒に取り組んでくださっている先生にお話を伺いました。

    【事例の共有】

    進学や夢を諦めている子どもたち

    従来の職場体験ができない、ということになって高校調べと大学調べに取り組もうか、という話になってたんです。でも勤務校は、ひとり親家庭や家庭背景が複雑な生徒も多く、自分は何もできない、わからない、進路のことが考えられないという感じなんですね。進学を諦めていたり、夢を考えたくなかったり…。授業もまともに受けられない子も多い。高校行って辞めたとしても働いたらいい、お兄ちゃん高校中退でも働いてるし、って言う子たちも。そういう状況だからこそ社会にでる前に、挑戦できる経験が本当に貴重だと思っています。職場体験が子どもたちに生きる力をつける一つのツールとして効果的だと感じていたので、2年生は仕事体験を柱にしたい、とずっとやってきた。ただ、上記に挙げた課題を感じていたことも確かです。そこで職場体験の代わりに高校にインタビューに行く予定だったんですが、それも中止になって。そこでリモート職場体験というプログラムを知って、チャレンジしたい、と手を挙げました。

     

    少しずつ真剣に取り組み出した子どもたち

    管理職も学年の先生たちもみんな初めてのことでもちろん不安でした。反対意見ももちろんありましたし、対面を大事にしてきていたので、リモートでどんな力をつけてあげられるのか、と手探り状態でした。当初提案いただいたプログラムも子どもたちの状況を見ながら、先生たちにプレゼンもして、何度も練り直してブラッシュアップしていきました。先生たちに共有するために模擬授業もその都度3回実施しました。

    担当学年には、自分の夢や希望を語るのが苦手な子もとても多いんです。そこで仲間づくりや自分の強みを考えるワークやアイスブレイクを実施。その後ハローワークの社員になって仕事を紹介する、という機会も提供することで仕事についてより深く考えられるようになりました。ただこの時点では、まだ子どもたちもゲーム感覚で取り組んでいたと思います。
    ですので、企業さんとの協働プログラムに取り組むまでの間に、リモート職場体験を実施することになった背景や、「みんなの成長のために協力してくれる大人がたくさんいる」ことを伝えてきました。そのあたりから子どもたちもより真剣に取り組むようになったんです。

    リモート職場体験のミッションは商品開発

    協働企業はポップコーンを販売する「ポップコーンパパ」さん。さまざまな話し合いを経て、子どもたちが取り組むミッションは2021年のオリンピックに向けた商品開発に設定しました。事前のワークで見つめた自分の強みを生かしながら、それぞれ自分には何ができるんだろうと考える子どもたち。いろんな部署ごとに味やパッケージデザインなど、自分たちの役割を話し合い決めていきました。クラスの中だと後ろで支えるタイプの子が、班の中で自信を持って前に出てくるようになったり、課題解決に向けて子どもたちが積極的に取り組む姿、変わっていく姿が見られました。

    すぐに諦めない力・生き延びる力を

    商品開発の過程では、子どもたちの企画書に厳しめの評価をし、再提出させる予定です。その中で、働くってどれほど大変かを実感してほしい。その経験から、ちょっと嫌なことがあっても諦めない力、生き延びる力をつけてほしいと思っています。同時に自分の親がどういう思いで育ててくれているかにも落とし込みたいと思っています。今後は、それぞれ班ごとにプレゼン大会をし、クラス代表を決定し、学年のプレゼンに進みます。最終は企業さんに評価をいただく予定です。その前にクラス代表となった班の企画をクラス全員で練り直す時間を持って、クラス作りの場にもしたいと思っています。
    元々、現状の職場体験を改善したいと思っていたので、リモート職場体験という新しい形で実践ができていることはよかったです。3年で進路選択につなげたいですし、平和な世の中を作っていくにはどうしていったらいいかというところにもつなげたいと思っています。

    質問&情報交換

    実践を伺った後、参加された先生方から質問や、情報交換の時間を取りました。

    「職場体験と人権教育をしっかり組み合わせられている実践に感動した」
    「『自分の弱みをさらけだせるクラスづくり』の実践のその後も知りたい」
    「高校に勤務していますが、今年度も120事業所にアポ取りして、200人の生徒たちを受け入れてもらいました。とにかくいろんな大人、いろんな生き方に出会ってほしい。子どもたちは消費者目線で出会っている職業しか知らない。1つの商品が手元に届くまでどれくらいの人が関わってるかなども知らないんですよね。」 

    など、さまざまな実践をされている先生同士、多くの質問や意見交換ができ、中身の濃い交流となりました。
    今年度はコロナで外に出ること、外部の人を学校に入れることすらできない状況が続き、多様な出会いや挑戦する場をどうやって作り出せるのかという相談から始まりました。また、他の実践校からは「生徒たちの意欲・元気が落ちている。。現状に向き合って進もうとしている大人の姿を見せたい!」という願いも伺っています。

    こういう時だからこそ、今まで以上に子どもたちが社会や人と繋がる機会が必要だと感じています。
    こういう時だからこそ、人と協力し合い、挑戦しながら進むという経験を提供できるよう、私たち自身もいろ
    いろな人と共に進んでまいります!

    現在、JAEは『リモート職場体験開発プロジェクト』でクラウドファンディングにチャレンジ中です。
    たくさんの子どもたちに、この機会を届けたいと思っています。ぜひご支援ください!
    クラファンのページはこちらから!

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